よくわからない問題だな。問38

試験結果発表まであとわずか。
もう、合格証書も発送されてるんでしょうね。

でも、まだ、疑問が残る問38。

ここでもう一度疑問点を整理してみましょう。


まずは問題。

【問 38】 宅地建物取引業者Aが、自ら売主として、 
宅地建物取引業者でない買主Bとの間で締結した 
売買契約に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法 
(以下この問において「法」という。)及び民法の規定 
によれば、誤っているものの組合せはどれか。 

イ Aは、Bとの間で建物の売買契約を締結する前に、 
法第35条の規定に基づく重要事項として当該建物の 
瑕疵の存在について説明し、売買契約においてAは 
当該瑕疵について担保責任を負わないとする特約を 
定めた場合、その特約は有効である。 


疑問となっているのは、


?法第35条の規定に基づく重要事項に瑕疵の説明が含まれるか?

?担保責任には権利の瑕疵も含まれるか?

他にも説明範囲といったこともあろうかと思いますが、
今回はこの2点を考えてみます。

まず、?法第35条の規定に基づく重要事項に瑕疵の説明が含まれるか?
当然、重要事項説明として、瑕疵の説明をすることは推奨すべきです。
しかし、この瑕疵の説明は何に基づいて説明しているのでしょうか。
そこで官公庁の資料を探してみます。

国交省) 
http://www.mlit.go.jp/common/000034607.pdf 

大阪府) 
http://www.pref.osaka.jp/kenshin/jusetsu/index.html

国交省大阪府のいずれも瑕疵の説明義務を第35条によるものとしておらず、
国交省においては、第35条以外の項目として、告知書による説明を推奨し、
大阪府においてはトラブル防止のため、つまり第47条に対応するためとしています。

第35条には「少なくとも次に掲げる事項について、これらの事項を記載した書面
(第5号において図面を必要とするときは、図面)を交付して説明をさせなければならない。」
と説明されています。
この「少なくとも」ですが、列挙された項目を限定するための言葉と私は理解します。
当然、この他のことを一緒に説明しても問題ありません。
だから、「瑕疵」も重要事項に含まれるよという考えは余りにも乱暴に思えます。
説明することなら何でも重要事項なんですかと逆に問いたい。
私としては、この前半部分は誤りだと思っています。

次に、?担保責任には権利の瑕疵も含まれるか?
ですが、読み方によっては、この「担保責任」を「瑕疵担保責任」と読む方もいらっしゃるかもしれません。
出題者もそういう意図だったのかもしれません。
ですが、「担保責任」と書かれている以上は、「担保責任」も含めて想定しなければなりません。
これを「瑕疵担保責任」と読みとれなんてことは、無茶は話です。

では、「担保責任」として考えた場合、
「物の瑕疵」「権利の瑕疵」どちらも想定しなければなりません。
もしかしたら「心理的な瑕疵」といったものもあるかもしれません。

でも、瑕疵の説明していたら、「権利の瑕疵」だろうが特約は有効なのでは?
確かにそうです。
民法572条でもそのように決められています。

第572条 売主は、第560条から前条までの規定による担保の責任を負わない旨の
特約をしたときであっても、 知りながら告げなかった事実及び
自ら第三者のために設定し又は第三者に譲り渡した権利については、その責任を免れることができない。 

ですが気になるのは後半の例外事項です。
「自ら第三者のために設定し又は第三者に譲り渡した権利については、その責任を免れることができない。」
の部分です。
たとえば,売買の目的物に抵当権や地上権が設定されていたり, 
売買の目的物の全部または一部を第三者に譲渡していた場合には
特約は無効だよと言っています。

民法572条は瑕疵担保責任には適用されないから・・・
という方もいらっしゃいますが、説明して瑕疵でなくなってしまったのなら、
担保責任の場合を考える必要があるのではないでしょうか。
条文にある以上、これも誤りだと思います。

もし、「正しい」とするならば、理由をはっきり説明して欲しい。
第572条の前半部分だけが理由なんて絶対におかしいと思います。



「誤っている」と考えていらっしゃる方も多いようですね。↓↓↓↓↓↓

宅建試験 問38イの答えはどれだと思う?

宅建試験 問31、問38の答えはどれだと思う?